2017.06.15 Thursday 01:39

Tabrikの本藍染カディコットンワンピース

 

今回はTabrikが数シーズン前から取り組んでいる本藍染めののことを、

お話しさせて下さい。

 

今日オンラインショップでアップしたものは、

薄手でこまかいチェックの手紡ぎ手織りのカディコットンを、
徳島の職人さんによって本藍染めをして頂いたワンピース1型です。

 

 

 

襟元に付けているガラスビーズのパーツは、
京都の職人さんに家庭機で一つづつ編んでもらっています。

小さなパーツではありますが、

ガラスビーズが通っている糸とリネンの糸とを引き揃えて、

ぎゅっと詰めて編んで頂くのがとても時間のかかる工程だそうです。

 

 

 

このワンピースは縫製後に藍染めをしているのですが、
その際は附属などは全てない状態で染めるそうです。
染め上がってから、後ろ襟にあるフランスの古いボタンや
パーツ、ネームなどは、デザイナーの手島紋さんが留め付けています。

 

 

 

右身頃のタックは一部わざと切りっぱなしにしています。
縫製したものに染を入れる製品染という工程ならではの、
少しクタッとした味のある仕上がりが、
本藍染めという伝統的な技法に遊び心を加えています。

 

本藍染めに関しては商品ページにも長々と書かせて頂いたのですが、

こちらでももう少し書かせて頂きます。

下記の工程を説明する写真は徳島の職人さんに掲載のご許可を頂き、お借り致しました。

 

 

 

本藍染には色々な技法があるそうなのですが、
Tabrikがお願いしている徳島の職人さんは、
無農薬で育てられた藍を用いた天然灰汁発酵建による本藍染め、
という技法だそうです。

 

3月の大安日から植物用のポットに藍の種蒔きが始まり、4月の大安日から畑に定植されます。

その間、無農薬無肥料無施水で育てられ、梅雨明けの時期の大安日に刈り取られ、乾燥させます。

写真は藍の畑と、乾燥した藍の葉です。

 

 


藍の乾燥葉は、秋から冬にかけて藍師の方により発酵の工程に入ります。

ひと山3トンの乾燥葉だそうです。
一週間に一度上下を返し、適度な水分と酵素を与えながら、70度を3ヶ月ほどキープするそうです。


 

 

その後、むしろをかけ、 藍の神様と共に寝つかせ発酵を促します。 

 

 


 

そうやって一年かけて仕上がった藍の染料(蒅/スクモと言うそうです)を甕(かめ)に入れて、
藍建(あいだて/染色できる状態にすること)をし、藍が目覚めるのを待ちます。

全ての工程は自然との関わりなので、毎回異なるものですが、
藍が目覚める時間は特にその時々で変化が大きいようです。

私は「藍が目覚めるのを待つ」という美しい言葉を、それまで聞いたことがありませんでした。

きっとそれはとても神聖な時間なのだと想像します。


藍が目覚めると、染めと天日干しを何度も繰り返し、生地が美しい藍色になっていきます。

 

ここで私が書いた以外にも大切な工程はまだたくさんあります。

ざっとではありますが、藍染めという技法がどれほど自然と密接に関わり、

時間がかかることなのかというのを、ご理解頂ければと思います。
 

 


こういった工程でできたアイテムを実際に着用しているデザイナーと私の実感としては、
本藍染は本当に色落ちがしない、と感じています。

この写真は私の私物のワンピースです。

最初に水洗いをしたときに撮ったものですが、白いTabrikの織りネームに全く色移りしませんでした。

実は半信半疑で水洗いした私でしたが、正直これには驚きました。

 

ただ、様々な条件のもとご着用されると思いますので、
濡れたり摩擦による色落ちはご留意して頂ければと思います。
また藍染めの特徴として、耐光面が少し弱く、長い時間をかけて少しずつ変色していきます。
私たちは、それは愛すべき経年変化だと思いますが、保管の際は直射日光があたらないようにして下さい。
  
 

 

この写真はTabrikが本藍染めを試みた最初のシーズンの展示会のときのものです。

手前に薄い藍染めのものがあります。

これは染めの回数が少ないから、というわけではなく、藍の年齢によるものだそうです。
藍染めは藍自体の発酵状態を見ながら、同じ甕(かめ)を使って染められるため、
最初の染料が若いときは濃く、どんどん時間が経つほどに薄くなるそうです。
徳島の職人さんは、藍も人間と同じく時間を経ていくので、薄い色味の状態を「いぶし銀」と表現するそうです。
 
その「いぶし銀」の状態はとても短く、薄い色は貴重な時間に限って染められる色だそうです。

甕のなかで藍の染料の具合は日々変わるので、その時期を逃すと、
次の新しい藍が、また「いぶし銀」の状態になるまで待たなければなりません。
その結果、仕上をしてお届けするまでだいぶ時間がかかってしまった・・・・という最初のシーズンでした。

 

私もこの工程を理解していなかったときは、お待たせしているお客様も多かったので、

ただヤキモキと届くのを待つばかりでした。

でもこうしてこの工程を知っていくと、本当に素晴らしいことだと思うし、

途絶えさせてはならない、伝統的な物作りだと思うのです。

 

一年かけて作られる染料を使って、さらに時間をかけて染められる本藍染め。
お待たせしてしまうことも多々ありますが、たくさんの職人さんの神聖な気持ちと手がかかっており、
そのひとつひとつが自然の流れの中で大切に染められています。

 

都心に住んでいると、夜中にポチッとして翌日商品が届くことがもはや当たり前という日常ですが、

物ができあがる工程を知り、手にするまでの「待つ楽しみ」というのも大切でとても贅沢な時間です。

そのことをこれからもデザイナーと共に学びながら、ぜひ皆様にもお伝えしていけたらと思います。

 


<<new | 1 / 186pages | old>>
 
CALENDAR
NEW ENTRY
ARCHIVES
CATEGORY
PROFILE
LINK
SEARCH
OTHER

(c) 2012 Alice Daisy Rose.